低迷する旅館経営を再建。
理念と顧客価値を見つめ直し、営業利益10倍へ

企業情報

  • 業種 ホテル・旅館業
  • 従業員 40名
  • 事業状況 売上8億円/営業利益1,000万円

ご相談時の状況

  • 状況① 6ヶ月後の資金繰りが逼迫
  • 状況② 集客減少による業績悪化
  • 状況③ 組織文化の惰性化
  • 状況④ 現場の一体感や目的意識の低下

取り組みと成果

  • 支援期間 3年
  • 売上 8億円→20億円
  • 営業利益 1,000万円 → 1億円

本質的な課題(INSIGHT)

当初のご相談は、資金ショートの回避と集客改善による売上回復でした。しかし分析を進める中で見えてきたのは、集客や販促以前に、組織全体に惰性が生まれ、本来持っていた強みや想いが失われつつあったことでした。

現場では日々の業務をこなすことが優先され、「誰のために、何を提供するのか」という価値観が曖昧になっていました。売上を増やす施策だけでは一時的な改善に留まり、根本的な解決にはつながりません。まず必要だったのは、会社の理念やビジョンを再整理し、経営陣と現場が同じ方向を向いて進める組織文化を取り戻すことでした。

アプローチ

短期

  • 経営難に陥った原因分析
  • 立て直しプランを設計し、銀行にリスケ交渉(CFOとして)
  • 古株社員2名に立て直しの意向を説明し再生チームに参画
  • 会社のビジョンと理念をブラッシュアップ/理解
  • 顧客分析を行いターゲット選定と打ち出しを決める
  • 顧客アンケートを実施して、社長と古株社員と日々分析改善と行う

中期

  • 売上が回復後、社員教育を実施
  • サービス品質の改善
  • 理念研修の実施
  • 数値(会計)に向き合う意識を高めて会計の研修も実施
  • リーダーがビジョン実現に向かうことと、利益も意識した行動ができるように支援

経営危機を乗り越えるため、理念と顧客価値を見つめ直す

ご相談当時、同社は資金ショートまで残り6ヶ月という厳しい状況にありました。集客の低迷や利益率の悪化が続く中、「売上を増やさなければならない」という焦りから、目先の施策に追われる状態が続いていました。

しかし分析を進める中で見えてきたのは、集客不足そのものではなく、長年の成功体験の中で組織全体が惰性化し、本来大切にしていた理念や顧客価値が現場で十分に共有されなくなっていたことでした。

まずは経営難に陥った要因を整理し、立て直しプランを策定。金融機関とのリスケジュール交渉を行い、資金繰りの安定化を図りました。同時に、長年会社を支えてきた古株社員2名と危機感を共有し、再生チームを編成。経営者一人で立て直すのではなく、現場を理解するメンバーと共に再建を進める体制を構築しました。

また、会社のビジョンや理念を改めて整理し、「誰に、どのような価値を提供するのか」を再確認。顧客分析を通じてターゲットを明確にし、実際のお客様の声を知るためのアンケートも実施しました。その後は、社長と再生チームが日々アンケート結果を確認しながら改善を重ね、顧客視点に立ったサービスの再構築を遂行。

結果として、資金ショートの危機を回避するとともに、再成長に向けた方向性と顧客価値を明確にすることができました。

理念と利益を両立する組織文化へ転換

業績が回復し始めた後は、一時的な売上回復で終わらせないために、組織づくりと人材育成に重点を置いた支援を進めました。

まず取り組んだのは、サービス品質の向上と社員教育です。単なる接客スキルの向上ではなく、「自分たちは何のために仕事をしているのか」「どのようなお客様に喜んでいただきたいのか」を考える機会を増やし、理念に基づいた行動が自然と生まれる組織づくりを目指しました。また、理念研修を通じて会社の目指す姿を改めて共有し、現場のリーダーが自らビジョンを語り、メンバーを巻き込みながら組織を動かしていけるよう支援を行いました。

さらに、売上だけではなく利益を生み出す組織になるため、会計研修も実施。現場のリーダー層が数字を理解し、利益や原価を意識しながら意思決定できるよう支援しました。これまで経営者だけが担っていた「利益を出す責任」を、リーダー層も共有することで、「理念を実現すること」と「利益を生み出すこと」を両立できる組織文化が少しずつ醸成されていきました。

その結果、お客様に提供する価値と利益の両方を意識した行動が現場に定着し、組織全体で成長を生み出せる体制へと変化。売上は8億円から20億円、営業利益は1,000万円から1億円へと改善し、次の成長ステージへ向かう経営基盤を構築することができました。

数字と組織の成果

数字の成果

  • 売上:8億円 → 20億円
  • 営業利益:1,000万円 → 1億円

組織の成果

  • 理念とビジョンの再浸透
  • 顧客視点を持ったサービス文化の定着
  • リーダー層の利益意識向上
  • 組織全体で成長を生み出す体制を構築

INSIGHTによるコメント

今回の事例は、集客施策や販促活動によって業績が回復した事例ではありません。もともと同社には、お客様に選ばれるだけのサービス品質や魅力が備わっていました。

しかし、長年の事業運営の中で組織が少しずつ惰性化し、「何のためにこのサービスを提供するのか」という本来の想いや判断基準が薄れてしまっていたことが経営不振を加速させる要因になっていました。

そこで私たちは、売上を増やす施策を考えると同時に、社長や中核メンバーと共にビジョンや経営理念を見つめ直すことも進めました。特に印象的だったのは、理念やビジョン策定を社長だけでなく、中核メンバーが主体的に参画していったことです。理念策定に関わったメンバーは自ら率先して行動し、その姿勢が周囲にも少しずつ伝播していきました。

この意識の変化こそが、惰性化していた組織文化を少しずつ活性化させ、サービス品質やお客様への向き合い方にも大きな変化を生み出したのだと考えています。私たちは、この事例の成功要因は、新しい仕組みや特別な集客施策ではないと考えています。

もともと会社が持っていたサービスの価値、理念とビジョンに本気で向き合った経営者の覚悟、そして、その想いに共感し、自ら会社づくりに参画した中核メンバーの存在。この3つが揃ったからこそ、理念が組織文化となり、組織文化がお客様への価値へとつながり、結果として業績の回復と持続的な成長を実現することができました。

私たちINSIGHTは、新しい価値をつくるのではなく、企業が本来持っている価値や想いを引き出し、組織全体の力へと変えていくことを大切にしています。

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もし、今回の事例に少しでも自社と重なる部分があるなら、ぜひ一度お話をお聞かせください。私たちは解決策を提案する前に、まず経営課題の本質を一緒に整理することから始めています。

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