社長1人経営からの脱却。
幹部と共につくる戦略経営で売上8億円へ

企業情報

  • 業種 IT関連業
  • 従業員 15名
  • 事業状況 売上3億円/営業利益3,000万円

ご相談時の状況

  • 状況① 経営理念やビジョンを策定しているが、幹部に浸透しない
  • 状況② 幹部が主体性を発揮せず、社長依存の状態
  • 状況③ 経営計画や戦略が社長の頭の中にあり、幹部が参画できていない

取り組みと成果

  • 支援期間 5年
  • 売上 3億円→20億円
  • 営業利益 3,000万円 → 9,000万円

本質的な課題(INSIGHT)

当初のご相談は、「理念を浸透させたい」「幹部が主体性を発揮しないため、幹部育成を進めたい」というものでした。しかし分析を進める中で見えてきたのは、幹部の能力や意識の問題ではありませんでした。

理念は掲げられていたものの、その理念に基づいた経営戦略や経営計画が十分に整理されておらず、幹部が経営に参画できる状態になっていなかったのです。主体性がないのではなく、主体性を発揮できる環境が整えられていませんでした。

まず必要だったのは、経営理念と経営戦略を結びつけ、経営者だけでなく幹部も経営に参画できる状態をつくることでした。

アプローチ

短期

  • 社長が掲げている理念は本物なのか?から見直し
  • 経営理念に基づいた経営戦略を幹部も巻き込んで(参画)立案
  • 戦略思考に関する勉強会
  • 全員で戦略と計画を立てたという当事者意識を持つ

中期

  • 戦略の実行(PDCA)
  • 幹部会を発足して、短期の目標達成、中期の経営計画立案も開始
  • 部署ごとのリーダーにも一連の思考や教育を実施
  • キャリアパスの設計と運用

幹部に主体性を求める前に、「参画」できる状態をつくる

ご相談当時、同社では経営理念やビジョンを定め、浸透にも取り組んでいました。しかし、社長からは「幹部に理念が浸透しない」「主体性を発揮してくれない」という悩みが聞かれました。

一方で、幹部側も会社を良くしたいという想いを持ちながら、「経営者が何を考えているのか分からない」「経営の話は社長だけのもの」と感じており、経営に対して受け身になっていました。そこで、まず取り組んだのは「本当に目指したい理念とは何か」を改めて見つめ直すことでした。社長自身が掲げる理念やビジョンを再確認した上で、幹部を巻き込みながら経営戦略の立案を開始。社長が答えを与えるのではなく、幹部と共に考え、議論しながら未来を描くプロセスを重視しました。

また、戦略思考に関する勉強会を通じて、幹部が経営者と同じ視点で会社を見る機会を創出しました。経営計画も社長が一方的に示すのではなく、幹部全員で議論しながら策定し、「主体性を持ってほしい」と求めるのではなく、「自分たちで決めたことだからやり遂げる」という当事者意識が自然と生まれる環境を整えていきました。

その結果、幹部たちは「指示を受ける立場」から「経営に参画する立場」へと変わり始め、会社の未来を自分事として考える意識が芽生えていきました。

理念を日々の経営と組織に落とし込み、自走する組織へ転換

戦略を策定した後は、それを絵に描いた餅で終わらせないために、実行と定着の仕組みづくりに取り組みました。まず幹部会を発足し、短期目標の進捗確認だけでなく、中長期の経営計画についても継続的に議論する場を設計。戦略を立てるだけではなく「どう実現するか」を幹部自ら考え、PDCAを回す習慣づくりを進めました。

また、幹部だけでなく各部署のリーダー層に対しても同様の教育を実施。会社の方向性や考え方が一部の人だけに留まることなく、組織全体に広がるよう支援を行いました。さらに、キャリアパスの設計と運用にも着手し、社員一人ひとりが「どのような人材を目指すのか」「どのような役割を期待されているのか」を明確にすることで、成長の方向性と会社のビジョンを一致させていきました。

リーダー層には、理念を実現することと、利益を生み出すことの両立を求め、単に売上を追うのではなく、会社の未来を見据えた判断や行動ができるよう継続的に支援しました。その結果、理念はポスターやスローガンではなく、日々の会議や意思決定、行動の中に根付き始めました。

社長だけの会社だった組織は、理念を共有した仲間たちが共に未来をつくる組織へと変化し、幹部やリーダーが主体的に考え、行動する文化が醸成されていきました。結果的には、売上は3億円から8億円、営業利益は3,000万円から9,000万円へと成長し、理念と戦略が連動した持続的な成長基盤を構築することができました。

数字と組織の成果

数字の成果

  • 売上:3億円 → 8億円
  • 営業利益:3,000万円 → 9,000万円

組織の成果

  • 経営理念と戦略が連動した経営体制を構築
  • 幹部会によるPDCAサイクルの定着
  • リーダー層の育成
  • 参画が根付く組織文化の醸成
  • キャリアパスの整備による自律型組織への転換

INSIGHTによるコメント

この会社の社長は、とても勉強熱心な方でした。

経営について学び、自社の存在意義を考え、経営理念やビジョンも時間をかけて策定されていました。理念浸透にも真剣に取り組み、「良い会社をつくりたい」という想いは私たちにも強く伝わってきました。一方で幹部の皆さんと話をすると、「理念は理解しているつもりだけれど、自分たちが何をすればいいのか分からない」という声が多く聞かれました。

この事例のポイントは、理念そのものに問題があったわけではなく、理念が経営戦略や経営計画に十分落とし込まれておらず、幹部にとっては目指す方向ではあっても、日々の判断や行動の基準にはなっていなかったことでした。

この状態では現場の社員も、会社がどこへ向かっているのかが見えません。仕事が目の前の業務だけになり、少しずつ当事者意識やモチベーションが薄れていくのは、ごく自然な流れだったと思います。

今回の取り組みで印象的だったのは、社長ご自身がその事実を素直に受け止められたことでした。理念をもっと伝えようとするのではなく、理念を実現するためにどんな戦略が必要なのか、という視点へ発想を切り替えられたのです。

さらに、その戦略を社長だけで考えるのではなく、幹部と一緒につくることにもこだわりました。会議では何度も議論を重ね、意見がぶつかることも多々ありました。しかし、自分たちで考え、自分たちで決めた戦略だからこそ、自分たちが実現しなければならない、という主体性へとつながっていきました。

この変化が、理念を少しずつ組織文化へと変え、結果として売上や利益の成長にもつながっていきました。私たちは、この事例の成功要因は、立派な経営理念を策定したことではないと考えています。

学び続け、自ら課題と向き合った社長の姿勢、理念だけでなく戦略にも向き合う決断をしたこと、さらに、経営に参画し、自ら会社の未来をつくろうとした幹部の存在。

この3つが揃ったからこそ、理念は言葉ではなく行動となり、組織文化として根付いていきました。

私たちINSIGHTは、理念を経営戦略へ、経営戦略を組織マネジメントへつなげることで、企業のビジョンを実現できる仕組みを構築していくことを大切にしています。

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